「合気道は最弱? 型だけ?」← それ、いつの話? 覇天会の『リアル組手』動画(アリ?)で常識が変わる!

 

合気道は弱い? そのイメージ、ちょっと待った! 実はこんな合気道もあるんです

「合気道って、なんかこう…ふわっとしてて、本当に強いの?」

「試合もないし、打撃もないんでしょ? 護身術としてはどうなの?」

「正直、ちょっと踊りみたいに見えちゃう…」

わかります、わかります。合気道に対して、そんな風に思ってしまう気持ち。特に、バチバチに打ち合う格闘技や、一撃必殺の武道のイメージに慣れている方からすれば、「相手の力を利用して~」とか「円の動きで~」と言われても、ピンと来ないかもしれません。まるで、楽譜のない即興演奏や、ゴールの見えないマラソンのように、その「強さ」の輪郭が掴みにくいのかもしれませんね。

確かに、多くの合気道流派では試合形式を取り入れていませんし、積極的に打撃技の稽古を行わないことも事実です。静謐(せいひつ)な道場で、流れるような型稽古を繰り返す…そんなイメージが先行しているのも無理はないでしょう。

しかし、そのイメージだけで合気道の全てを語るのは、少々早計かもしれません。

実は、合気道の懐は意外と深いのです。静かな湖面の下に、力強い水流が隠れているように、合気道の中にも試合や打撃稽古を取り入れ、より実践的な強さを追求している流派が存在します。例えば、富木(とみき)合気道(日本合気道協会)や合気道S.A.といった団体では、試合形式(乱取り)が稽古体系に組み込まれています。

そして、その中でも**「いやいや、合気道だってここまでやるんだぜ!」と、伝統の技に現代的な実戦性を融合させ、独自の進化を遂げているのが、今回ご紹介したい「覇天会(はてんかい)合気道」**なのです。

打撃との融合? 試合もある? それが覇天会スタイル

横浜に本拠を置く覇天会合気道。キャッチコピーは「優雅なる技の織り成す芸術」。…おっと、これだけ聞くと、やっぱり「ふわっと系」? と思われるかもしれませんね。でも、ご安心(?)ください。その雅(みやび)やかな響きの裏には、ガチな実戦性がしっかりと息づいています。

 

覇天会の特徴は、ずばり**「合気道技とフルコンタクト制打撃の融合」**。

「え? 合気道なのに打撃?」

そうなんです。合気道の創始者・植芝盛平翁の言葉にも「合気道は当身(あてみ=打撃)が七分」とあるように、本来、打撃は合気道にとって重要な要素でした。しかし、時代の流れと共に、その側面が薄れていった現状があります。覇天会は、その古来の教えに立ち返り、「当身」をしっかりと稽古に取り入れているのです。

ただし、空手やキックボクシングの打撃をそのまま持ち込んだ、というわけではありません。あくまで合気道の「捌き」「崩し」といった理合(りあい=技の道理)を活かしながら、打撃を使ったり、相手の打撃に対応したりすることを目指しています。ミット打ちや、実際に打ち合う組手(スパーリング)も稽古の中心です。

 

さらに驚くべきは、独自の試合ルールまであること。

「ユニファイド合気道ルール」と呼ばれるこのルールでは、防具着用の上で、なんと伝統的な合気道の顔面への手刀打ちまで認められています。もちろん、ボディへの打撃や投げ技、関節技、さらには一部の絞め技まで! まるで、伝統的な和食の技法を使いながら、世界中のスパイスを大胆に取り入れた創作料理のよう。これにより、より実践的な攻防が可能となり、技の有効性を磨き上げています。

年に2回開催される「フルコンタクト合気道選手権大会」では、覇天会の選手たちが日頃の稽古の成果をぶつけ合います。ここでの実績は、覇天会の技術レベルの高さを裏付けるものとなっています。

 

創設者・藤崎天敬師範と覇天会の目指すもの

このユニークな合気道を創始したのは、藤崎天敬(ふじさきてんけい)師範。

実戦合気道流派で指導員を務め、打撃ありの合気道選手権大会で三度の優勝経験を持つ実力者です。柔道や空手など他武道の経験も豊富で、それらのエッセンスを合気道に無理なく融合させ、覇天会を立ち上げました。まさに、様々な楽器を自在に操るマルチプレイヤーが、新しいジャンルの音楽を生み出すようなものかもしれません。

藤崎師範は、若き日に空手の試合で強烈なローキックを受け、「打撃への対応」の必要性を痛感した経験や、柔道有段者との他流試合で合気道技の有効性を証明した経験など、数々の実戦経験を通して、その技術体系を練り上げてきました。

しかし、覇天会は単なる「ケンカに強い合気道」を目指しているのではありません。「覇天会」という名前には、深い意味が込められています。

 * 「覇」:困難に打ち克ち、己を律する強さ。

 * 「天」:その力を、より高い目標(社会貢献など)へ向ける意志。

技術や肉体的な強さだけでなく、精神的な成長も重視し、**「心身ともに成長し、自分自身を正しく律して精神的な覇者となり、覇気のある(活き活きとした)人間になる事」**を目指しているのです。

 

技の神髄:「流転する立ち関節」から「掌握の境地」へ

覇天会の技術と思想は、いくつかのキーワードで表現されます。ちょっとだけ、その奥深い世界を覗いてみましょう。

 * 武産合気(たけむすあいき):

   これは伝統的な合気道の根幹にある考え方。状況に応じて無限に技が生まれる、というような意味合いです。まるで、熟練のジャズミュージシャンが、譜面にとらわれず自由自在にアドリブを繰り広げるような、技の「無限性」「自在性」を表します。

 * 流転(るてん)する立ち関節:

   その「武産合気」を実戦技術に落とし込んだもの。相手の動きに合わせて、一つの関節技から次の関節技へと、まるで水が流れるように淀みなく技を連動させ、相手をコントロールします。熟練者は10以上の技を繋げることもあるとか。コマ送りの写真ではなく、滑らかな一本の映像のような技の連続性です。

 * 掌握(しょうあく)の境地(アブソリュートコントロール):

   これが覇天会が目指す技術的な到達点。相手に不要なダメージを与えることなく、しかし、投げ・関節技・打撃などを有機的に連動させ、瞬時に、かつ完全に相手をコントロール下に置く技術的・精神的な境地です。相手を打ち負かすのではなく、「無力化」することで危機を未然に防ぐ。まるで、凄腕の交渉人が、言葉巧みに相手を説得し、争いを丸く収めるようなイメージでしょうか。藤崎師範の言葉を借りれば、「力と冷静さを備え、相手を制しながら傷つけず、状況を収める智慧の結晶」なのです。

 * 和合(わごう):

   そして、その先にある最終的な精神的目標が「和合」。力で争うのではなく、確かな実力と人間性をもって調和へと導く。これこそが、覇天会が目指す武道の理想形です。

もちろん、実際の組手や試合では、互いに真剣に攻防するため、泥臭く激しい展開になることもあります。しかし、その根底には、相手を尊重し、不必要に傷つけず、最終的には「和合」を目指すという精神が流れています。

 

あなたの中の「合気道」が変わるかも

覇天会には、プロ格闘家や他武道の高段者から、武道未経験者、女性、子供まで、様々な人が集まっています。それは、打撃や試合を取り入れた実践性への興味だけでなく、藤崎師範が示す「強さ」とその先にある理念、そして誰でも受け入れるオープンな道場の雰囲気に惹かれるからかもしれません。

どうでしょう? 少しは「合気道=弱い、使えない」というイメージが変わってきたでしょうか?

もちろん、どんな武道や格闘技にも、それぞれの良さや特徴があります。覇天会が唯一絶対の答えではありません。

しかし、「合気道」という言葉から連想されるイメージが、実はもっと多様で、奥深く、エキサイティングな可能性を秘めていること。そして、伝統を守りながらも、時代に合わせて進化し、真の実践性を追求している合気道があること。

もし、あなたが心身を鍛え、真の強さを探求したいと考えているなら。あるいは、既存のイメージにとらわれない「新しい武道のカタチ」に触れてみたいと感じたなら。

覇天会合気道の世界を、一度覗いてみてはいかがでしょうか。そこには、あなたの知らない「合気道」が待っているかもしれませんよ。