昔と今でこんなに違う!「実戦」合気道の世界「合気道って、フワフワしてない?」その疑問に、合気道覇天会が答えます。

 

「護身術」や「強い合気道」と聞いて、どんなイメージを思い浮かべますか? 「攻撃を受け流す、優雅な武道」「なんか哲学的で、フワフワした動き?」 そう思っているなら、無理もありません。

 

多くの人が、合気道に対してそんなイメージを抱いているからです。 しかし、もしあなたが「万が一のときに本当に身を守るための技術を学びたい」と心のどこかで思っていたとしたら、今回ご紹介する合気道覇天会の話は、きっとあなたの興味を引くはずです。

 

覇天会は、この素朴な疑問に真正面から向き合っている、稀有な合気道団体なのです。

 

昔と今でこんなに違う、「実戦」や「護身術」という言葉の意味

 

武道の世界でよく耳にする「実戦」や「護身術」という言葉。 昔と今とでは、この言葉の意味合いが大きく変わってきているのをご存知でしょうか? かつて、私たちが合気道の「実戦」や「護身術」に抱いていたイメージは、どこか浪漫に満ちたものでした。

 

伝説的な武道家たちの驚くべき逸話や、まるで魔法のように相手を制する演武の映像。それらが、武道の「強さ」を象徴するものでした。当時の人々は、その技術の華やかさに胸を躍らせ、「これが本当の護身術だ!」と感じていたのです。 しかし、時代は大きく変わりました。 現代の私たちは、スマートフォン一つで、世界中のあらゆる格闘技の動画を簡単に見ることができます。特に、総合格闘技(MMA)の普及は、私たちの中の「実戦」観を根本から変えました。 もはや、約束事の決まった状況での演武だけでは、現代人が求める「護身術」としての説得力を持ちづらくなっています。

 

「相手の打撃をどう捌くのか?」 「動いている相手とどう組手をするのか?」 「スパーリングで、自分の技は本当に通用するのか?」 これらが、現代の武道家、そして愛好家が「実戦」や「護身術」という言葉に込める、新たな定義となりました。

 

言い換えれば、昔の武道のすごさの証明や「護身術」での実用性が「伝説や演武のすごさ」に重きを置いていたのに対し、今の武道のすごさの証明や「護身術」は「スパーリングや打撃への対応力」という、より客観的で検証可能な基準にシフトしているのです。

 

試合を行う合気道”の系譜

合気道における「実戦性」や「競技性」の追求は、実は近年になって突然現れたものではありません。歴史の中で複数の流派や指導者が、独自の観点からこの課題に向き合ってきました。

特に注目すべきは、富木謙治師範によって創始された通称「富木合気道」です。合気道を柔道の原理を用いて解釈したこの体系は、技の合理性と実用性を追求し、合気道で初めて競技試合(競技合気道)を創設した流派として知られています。また、試合では短刀を使った攻防(短刀取り/短刀捌き)の形式を重視し、護身術としての現実的な技術を体系的に取り入れた点が特徴的です。

 

また打撃を取り入れたリアル合気道を提唱する「合気道S.A.(Shoot Aikido)」が挙げられます。これは、従来の合気道に加えて、掌打や蹴りといった打撃技を初めて正式に体系に組み込んだことで注目されました。スパーリングや対打撃への対応力を重視した稽古体系を整備し、現代的な護身術としての実効性を追求しています。

 

このように、合気道の歴史には、試合形式の導入や打撃や短刀技の体系化といった「実戦性」への真摯な取り組みが、過去から現在にかけて脈々と存在しているのです。

 

覇天会が提唱する「フルコンタクト合気道」とは?

そんな時代の流れの中で、横浜に本拠を置く**合気道覇天会(はてんかい)**は、伝統的な合気道の精神を守りつつも、この現代の「護身」観に真摯に向き合っています。 覇天会が提唱する**「フルコンタクト合気道」**は、単に力でぶつかり合うことではありません。 相手の打撃をいかに受け流し、その勢いを逆手に取って自分の技に繋げるか。これは、向かってくる波の力を利用してサーフィンをするようなものです。「相手の力に逆らうのではなく、その力を利用する」という合気道の本質を、よりリアルな形で追求しているのです。

 

このリアリティを徹底的に追求するため、覇天会では独自のユニファイド合気道ルール(合気道の立ち関節技や投げをメインに、顔面への手刀や蹴り技を採用)を制定し、打撃への対応力を高める稽古を行っています。これは、もはや「スポーツ」の枠を超え、古流武道が現代の格闘技と対峙する、一つの壮大な「挑戦」とも言えるでしょう。

 

護身だけじゃない、実績のある合気道、覇天会の魅力

覇天会の魅力は、その実践性だけではありません。 創設者である藤崎天敬宗家は、試合で数々の実績(リアル合気道選手権大会 優勝3回)を残す一方で、古都・鎌倉での武術修行を通じて「強さ」と「優雅さ」を両立させる独自の武道哲学を確立しました。

 

覇天会という名前には、「天」という高い目標を目指し、「覇気あふれる活き活きとした人間になる」という願いが込められています。つまり、技を磨くだけでなく、礼儀作法を重んじ、人間的な成長を促すこと。それこそが、覇天会が大切にしていることです。

 

さらに、覇天会は他武道との積極的な交流も行っています。空手の世界チャンピオンや中国武術の達人たちとの交流は、特定の流派に閉じこもらず、常に学び続ける姿勢の現れです。

 

「フワフワした合気道」のイメージが、少し変わったのではないでしょうか? もしあなたが、万が一のときに本当に身を守れる技術、そして心身ともに成長したいと願うなら、この「実践と伝統」を融合させた強い合気道、覇天会の門を叩いてみる価値は、大いにあるはずです。