「一瞬で決める、「完璧な掌握力」。相手を傷つけず制圧する、覇天会合気道「掌握の境地」(アブソリュートコントロール)」

 

 

 

覇天会合気道:「掌握の境地」

 

実戦合気道 覇天会が目指すのは、様々な状況下において相手を確実に制圧する技術体系、**「掌握の境地」です。これは、高度な合気技術、洗練された投げ技、そして効果的な打撃という三要素を統合することで実現される、高いレベルの制圧技術を指します。

 

その中核を成す特徴的な技術が「流転する立ち関節」です。相手の動きや力の変化に即応し、水が流れるように淀みなく技を変化させながら、瞬時に相手の平衡を崩し、制圧へと導くことを目指します。 この技術の根底には、相手のあらゆる状況に対応し、技を変化・発展させていく「武産合気(たけむすあいき)」**の思想があります。

 

「流転する立ち関節」は、この理念を具現化した、状況に応じて変化する立ち技関節術であり、覇天会合気道の核心技術の一つと位置づけられています。

 

掌握の境地 (しょうあくのきょうち)

 

掌握の境地とは、藤崎天敬が提唱する覇天会合気道における根幹概念の一つです。これは、相手に対し不必要な苦痛を与えることなく、あらゆる状況下で確実に制圧することを目指す、高度な技術と精神性を統合した状態を指します。

掌握の境地は、その達成度に応じて以下の3つのレベルで捉えられます。

  • 厳密な掌握の境地 (目標時間:10秒以内): 洗練された高度な技術と集中力により、相手に抵抗の機会を与えず、瞬時に制圧を完了させる状態。
  • 標準的な掌握の境地 (目標時間:30秒以内): 相手の抵抗を迅速に封じ、主導権を確立し、速やかかつ確実に制圧する状態。
  • 広義の掌握の境地: 相手が熟練した武道家であるなど、制圧に時間を要する場合でも、最終的に相手の抵抗を無力化し、完全に支配下に置く状態。

いずれのレベルにおいても、合気、投げ技、打撃といった多様な技術を有機的に連携させ、相手を効果的に制することが重要視されます。

 

掌握の境地の要件と具体例

■ 掌握の境地の主な要件

状況に応じた迅速かつ確実な掌握:

  • 厳密な掌握の境地(10秒以内): 相手に抵抗の機会を与えず、瞬時に制圧を完了する状態。
  • 標準的な掌握の境地(30秒以内): 相手の抵抗を速やかに封じ、迅速かつ確実に主導権を握り、制圧する状態。
  • 広義の掌握の境地: 高レベルの相手に対し、時間を要しても最終的に完全に制圧できた状態。

合気道技術を基盤とした有機的連携:

  • 相手の力を利用する合気を根幹とし、体捌きでバランスを崩す。
  • 崩れた相手に対し、立ち関節技、投げ技、打撃を状況に応じて流れるように連動させる。

相手への配慮:

  • 不必要な苦痛や重傷を与えることなく、相手の動きを制御し、無力化することを目指す。

■ 厳密な掌握の境地(瞬間~10秒以内)の具体例(小手返しの場合)

  • 対ワンツー攻撃: ワンツーを捌き、その流れで即座に小手返しへ移行し制圧。
  • 掴まれた場合: 体軸への打撃等で相手の体勢を崩し、立て直す間を与えず小手返しで制圧。
  • 対蹴り技: 蹴りを捌き、顔面への手刀などで相手の意識を逸らし、隙を突いて小手返しで制圧。
  • 打撃を防御させて: 顔面への手刀などを相手に防御させ、その防御動作で生じた隙(体勢の崩れ等)を突き小手返しで制圧。
  • 対逆突き: 逆突きを捌いた後、効果的な打撃の連打で動きを止め、隙を見て小手返しで制圧。
  • 下段蹴りから: 下段蹴りでバランスを崩し、素早く踏み込んで小手返しで制圧。

※ 掌握の境地に関する注意点: 相手に過度の怪我を負わせたり、不必要な苦痛を与えたりする行為は、掌握の境地の定義から外れます。

 

掌握の境地に含まれる/含まれないと考えられる例

  • 含まれると解釈できる場合: 合気道技で相手の体勢を崩した後、戦意を喪失させるための最小限かつ効果的な打撃(過度のダメージを与えないもの)を用いて迅速に制圧する場合。打撃が「制圧の仕上げ」として機能する場合。

  • 含まれないと考えられる例:

    • 合気道技の後、相手に重傷を負わせる可能性のある過度な打撃を加える場合(「相手への配慮」の要件に反する)。
    • 合気道の技術的要素が不十分で、主に打撃の威力に頼って制圧しようとする場合(合気道の理念や技術体系から逸脱する)。

※「掌握の境地」は「正勝吾勝勝速日の現実的(実践的・具体的)な体現、あるいはそれを目指すプロセス」ともいえる。